2007年、「平成献上」のデザインを使って、ホテル客室の内装を全面的に改装しコーディネイトするという企画を、株式会社西鉄シティホテル様に採用していただきました。
対象となる部屋は、シティホテルの老舗、西鉄グランドホテルのその名も「エンパイア・スイートルーム」、124m²。今上天皇が皇太子時代にお泊りになったという由緒ある部屋です。

数回の打ち合わせを重ねた結果、その由緒正しさを活かすためにも、デコラティブな高級感とは異なる「高貴さ」を感じられる仕上げにすることで意見が一致。
テーマも、「新しい伝統の具現化」に決定しました。
「凛」とした「華やかさ」を醸し出すために、リビング・ダイニングは「シルバー系」、ベッド・ルームは「ゴールド系」でまとめることに。ここで、「平成献上」ならではのデザイン特性が活きてきます。
「独鈷」「華皿」「筋（縞）」という従来の博多献上の柄を、一旦それぞれの要素に分解し、そのパターンに現代性を加え、用途・目的に合わせて再構築することができるように創られているからです。
　　
素材的にもインテリア・ファブリックとしての難燃性や防炎性などの各種機能を満足させ、カーペットから、壁紙、カーテン、ダイニングチェア、ソファ、クッション、ベッドカバー、ランプシェード、テーブルセンターに至るまでを、トータルにコーディネイトしています。